廃退する廃墟の儚い美しさを映す廃墟写真集「美しい日本の廃墟 いま見たい日本の廃墟たち」


日本全国には廃墟がたくさんありますが、その中には美しさを感じさせる廃墟も存在します。廃れたことによる美を宿した日本の廃墟を写真に収めた一冊、「美しい日本の廃墟 いま見たい日本の廃墟たち」。

廃墟を見て胸に哀愁と共にときめきを感じる人に、とてもおすすめの写真集です。
この写真集に収録された廃墟の美しさを目にすることで、淡い廃墟への想いは深まり切なくなっていくでしょう。

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「美しい日本の廃墟 いま見たい日本の廃墟たち」について

一人の写真家の手によるものではなく、腐肉狼氏・マツモトケイイチロウ氏・ヨウスケ氏の3名により手がけられた作品となります。

掲載されている廃墟は全国各地に渡り、60カ所以上の日本の廃墟がまとめて紹介されています。
本に載っている廃墟は割と有名な所が多めです。

紹介する廃墟の数多さから、ページも150ページ以上とかなりのボリューム。

一つの廃墟に対しての写真は少ないながらも、どの廃墟の写真も美しく見とれてしまいます。
有名な廃墟はすでに何冊もの写真集に載っていますが、「美しい日本の廃墟 いま見たい日本の廃墟たち」は廃墟の退廃美が増していてより魅力的です。

廃墟写真1枚1枚にその場の持つ時の重みが写し出され、廃墟が過ごした孤独の長さが感じられます。

写真集に収められた廃墟の切なさ

「美しい日本の廃墟 いま見たい日本の廃墟たち」収録の廃墟は、かつては栄えていた場所ばかりです。

訪れる人々により生気が溢れていた場所が、荒れ果て崩れていく。写真を通して見ているだけでも、その光景は切なく心を打たれます。

子どもたちが去った学校・遊園地


©-2016 エムディエヌコーポレーション 腐肉狼 マツモトケイイチロウ ヨウスケ 「美しい日本の廃墟 いま見たい日本の廃墟たち」


©-2016 エムディエヌコーポレーション 腐肉狼 マツモトケイイチロウ ヨウスケ 「美しい日本の廃墟 いま見たい日本の廃墟たち」

学校や遊園地は子どもたちがいてこそ成り立つ場所であり、彼らが消えてしまったら存在意義も消え去ります。
写真集に掲載の昭和風味の懐かしさがある福島県にある廃小学校、過去には子どもたちの笑い声が響いていた宮城県の廃遊園地。
主である子どもたちが去った廃墟は、役目を終えても子どもたちの姿を待ち続けているような不気味な悲しさが漂っています。

時代の遺物となった炭鉱


©-2016 エムディエヌコーポレーション 腐肉狼 マツモトケイイチロウ ヨウスケ 「美しい日本の廃墟 いま見たい日本の廃墟たち」

一昔前の日本は炭鉱に支えられ炭鉱のある町は活気がありましたが、時代が移り石炭の需要がなくなると炭鉱のあった町も賑わいをなくしました。

写真集には北海道などの炭鉱跡や炭鉱が閉鎖しゴーストタウンになった町が登場しますが、人々の仕事や暮らしていた名残が色濃くあるそれらの廃墟からは空虚さが強く伝わります。

求められていたものが時代の変化により、必要とされなくなり遺物となる。
時代に不要とされ廃墟になった場所に、きっとやり切れない気持ちを覚えるでしょう。

廃墟探訪のおともになる写真集でもある


©-2016 エムディエヌコーポレーション 腐肉狼 マツモトケイイチロウ ヨウスケ 「美しい日本の廃墟 いま見たい日本の廃墟たち」

「美しい日本の廃墟 いま見たい日本の廃墟たち」は心がしんみりする写真集ですが、面白い一面も備えています。
写真集に出てくる廃墟に実際に行くためのアクセス情報も紹介し、廃墟探訪に使えるノウハウ本にもなってくれるのです。
どのような方法で行くかのアドバイスの他にも、廃墟に行く時にあると良い持ち物や注意すべきことも書いています。

廃墟は写真で見るのも楽しめますが、自分が廃墟に直接に行って見るのも楽しめます。
載っている廃墟に行ってみたい時に、「美しい日本の廃墟 いま見たい日本の廃墟たち」を利用して訪ねてみてはいかがでしょうか。

おわりに

廃墟の壊れて消えていく定めに、人はある種の美しさを抱くものです。

廃墟はいつ崩れ去るかは、誰にも分りません。写真集の廃墟たちもいまはその姿を残していても、1年後にはなくなっているかもしれない。永久にあるかの約束はない廃墟の美しさを、「美しい日本の廃墟 いま見たい日本の廃墟たち」の写真で記憶に残してみませんか。

失われる故の廃墟の切ない「美」に、廃墟への興味の扉が開かれます。


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