ベテランホラー漫画家の激コワ恐怖傑作選!「恐之本」


夏になるとコンビニのコミックスの棚に、ページ数が分厚いホラー漫画の本がよく置かれています。このコンビニ売りのホラー漫画本で精力的に読み切り作品を発表している「高港基資」さんは、ストーリーや絵の端正さが並みのホラー漫画家より格段に上手く高い評価を受けている人です。

今回ご紹介する「恐之本」は、高港基資さんが長年発表してきた読み切り作品をまとめた本。背中にゾワリと寒気を感じる怖い話を読みたい人に、実力派ホラー漫画家の傑作選は本当に怖いのでおすすめです。

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作者と本の紹介

「恐之本」の作者である高港基資さんは1990年に少年画報社「ヤングキング」でデビューし、デビュー誌でしばらく活動した後にホラー方面でも活動するようになりました。ホラー漫画は20年ほどのキャリアがあり、話の構成や画力の高さが抜きんでている漫画家さんです。

近年はコンビニ売りの本に読み切りを発表するスタイルが主ですが、その実力の高さから根強いファンを獲得しています。

「恐之本」はコンビニコミックの実話体験談系の雑誌に発表した作品を集めたもので、シリーズは全10巻。全巻の収録作品は1話完結型なので、1冊で色々な怖い話を味わうことができます。

話は心霊系の恐怖ばかりではない

高港基資さんのホラー漫画は幽霊が出てくる話も多いですが、スプラッタホラー系の話や人間が怖いサイコホラー系も得意でたくさん描いています。たまに怖さの中に人の温もりや優しさを伝える感動するお話もあり。「恐之本」も異なるタイプの怖い話が満載です。

ホラー漫画家は長くやっているとワンパターンな恐怖表現になりやすいのに、この作者は1つの作品ごとに怖さの出し方に趣向が凝らされ飽きないのが良い。予想できない方向から恐怖が飛び込んできて、読者は肝を冷やされてしまいます。

「恐之本」に収録されている作品の中には、実際に日本で起きた大震災について扱った話もあります。社会的に重要だけれど意見しにくい題材を、嫌みなく問題提起する形で作者は作品に取り込んでいる。怖がらせつつ同時に、読者に深い問題を投げかける。

時に考えさせられる内容も含まれ、高港基資さんという漫画家の力量が伺えます。

人が怖い話と幽霊が怖い話

10巻の中にどんなお話が収録されているか、シリーズ1巻目から2作ほど紹介させていただきます。サイコホラー系と心霊系のお話です。

指きりげんまん嘘ついたら

女子大生がストーカーの異常行為に追いつめられるお話。女子大生はストーカー被害にあい、執拗に自宅へ手紙を送りつけられます。無視していても収まらず、彼女は実家に戻りストーカーから逃げようとする。

避難した実家では、玄関先に丸い肉片が毎朝置かれる出来事が続いた。女子大生の父が肉片を警察に持って行くと、肉片が一本の指を輪切りにしたものであると判明しました。ストーカーの異常な行動に身の危険を感じた女子大生は、叔父がやっている学生アパートに引っ越し平穏な暮らしを取り戻します。

しばしストーカーに悩まされない日々を送っていましたが、自室の洗面台で再び指の肉片を目撃してしまいます。輪切りされた指の肉片が、洗面台の鏡に貼り付けられていたのです。

怯える彼女の部屋の窓ガラスを、外から何者かが叩く。ガラスを叩く手には、あるべき指がなかった…。

顔を見るな

たまたま居合わせてしまったために、女性の幽霊に取り憑かれてしまった不幸な青年のお話。青年は大学の願書に貼る証明写真を撮るため、照明写真機がある場所へと向かいます。先客がいるので待つが、証明写真機の中から全く出てこない。

カーテンを開けてみると、いるはずの先客の姿がなかった。不審に思いながら青年は写真を撮る。出来上がった証明写真には…中年の女性が写っていました。

それを境に青年が写真を撮ると、中年の女性が必ず写るように。女性の幽霊は青年と一緒に写る人数が多いと青年の近くに写らないが、写る人数が減るにつれて青年の側にどんどん近づいて写っている。

それに気づいた青年は写真を嫌い、撮られるのを嫌がるようになります。

彼の話を聞いた友人は、「なら青年1人だけで写真を撮ったら?」と好奇心が湧き、青年にカメラのレンズを向ける。レンズには、青年の背中にしがみつく中年女性の姿が見えた…。

おわりに

「恐之本」に収録されている作品は、高港基資さんのホラー漫画でも特に怖いお話を選んだものです。1話ごとに違う系統の恐怖が濃く詰められているので、色々な怖さに触れることができます。ベテランホラー漫画家の怖いお話を未経験の人は、「恐之本」をまず1冊チャレンジしてみましょう。


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