トマ・ジョリオンが描く廃墟の内側が美しい廃墟写真集「世界の美しい廃墟」


ドライブの最中、ふと視界に飛び込んできた廃屋や廃墟に対し、何とも言えない不安とともに奇妙な懐かしさを感じたことはありませんか?

廃墟は、他と同じように時間が流れているはずなのに、時間の外に出てしまったような独特の空間です。
役目を終え滅びていく姿に思い浮かべる、在りし日の輝きや希望、そして挫折からはどこか人の一生と似たものさえ感じてしまいます。

慌ただしい社会での役割を果たし解放された廃墟が、当時の面影を残しつつもゆっくりと自然に呑まれていく様は仄暗くも美しく、その「美」に魅了される者は尽きません。

この記事では、そんな仄暗くも美しい廃墟を世界中から集めた耽美な写真集「世界の美しい廃墟」をご紹介致します。

是非、最後までご覧ください。

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『世界の美しい廃墟』/トマ・ジョリオン

この写真集には、フランスの写真家、トマ・ジョリオン氏の手によって4×5サイズのカラーネガフィルムで撮影された、都市の廃墟や放棄された建築物の写真が収録されています。

それぞれの写真にはタイトルと撮影した場所のみが記載されており、廃墟に関する情報が少なく、写真の数が多いという特徴があります。

このため、廃墟マニアの方はもちろん、「廃墟について深い興味があるわけではないけれど、美しい廃墟の写真を見たい!」という方にもぴったりの一冊となっています。

また、収録されている全ての写真が、廃墟の内部を撮った写真あるという点も特徴的です。

外から見るだけではわからない内部に踏み込んでおり、この写真集でしか見られないカットが多数収録されています。

212ページフルカラー、圧倒的なボリュームのアート写真集

©パイインターナショナル トマ・ジョリオン 「世界の美しい廃墟」

1つの廃墟につきほぼ1枚ずつの内部の写真が212ページにわたってフルカラーで、大きくかつクリアに美しく掲載されています。

1枚1枚の写真では、洗練された構図と熟慮された自然光によって廃墟の静謐さや寂寥感が見事に表現されており、それぞれがアート作品として完成されています。

邦題「世界の美しい廃墟」から廃墟のガイドブックのような印象を受けますが、原題は「silencio」であり、これはスペイン語で静寂・沈黙を意味します。

また、前の項でも少し触れましたが、この写真集にはそれぞれの廃墟についての説明はほとんどありません。

これらのことから、この写真集はガイドブックと言うよりは芸術作品であり、「廃墟を題材にしたアート写真集」と捉えたほうが正確だと言えます。

写真の質だけでなく印刷やレイアウトの質も高く、ありのままで着飾らない廃墟の魅力を余すことなく堪能できる一冊です。

日本の廃墟も収録されている

©パイインターナショナル トマ・ジョリオン 「世界の美しい廃墟」

アメリカのホテル・イタリアの城・フランスの工場・日本の旅館・旧ソ連時代の建造物など、世界各国の廃墟と、そこに漂う時間の流れと静寂を捉えたトマ・ジョリオン氏の写真を1冊にまとめました。廃墟好きもそうでない人も、その写真の美しさに魅了されることでしょう。

出典:世界の美しい廃墟

様々な国のいつの時代にも存在する「廃墟」を写し出したこの写真集は、主にヨーロッパ、アメリカ、そして日本を中心とした廃墟の写真で構成されています。

収録されているのは、ホテルやオフィスビル、城や劇場、映画館、博物館、病院、教会、礼拝堂、集会所、刑務所などといった有名で大きな建築物だけではありません。

体育館やプール、ボーリング場やラブホテル、ダンスホール、ボーリング場、診療所、邸宅、観覧車などといった比較的小規模な物件も収録されています。

また、このほかにも司令センターや兵舎、発電所や工場、鉱山など、約150の廃墟の写真を掲載し、圧倒的なボリュームを誇る写真集となっています。

おわりに

トマ・ジョリオン氏による「世界の美しい廃墟」をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

この写真集はたくさんの廃墟を大きく、そして限りなく美しく写し出し、収録されているすべての廃墟の仄暗く静謐な魅力を最大限に引き出しています。

心を揺さぶるノスタルジーと滅びの美を堪能できる、大変おすすめの一冊です。
この記事が、廃墟の魅力を知るひとつの助けとなれば幸いです。

最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。


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