拝み屋さんの怪奇体験は最高に怖い!「拝み屋郷内 花嫁の家」


創作系の怖い話は結局創作と分かっているので、体の芯からブルブル震える恐ろしさが足りないと感じませんか?
そんなアナタ。肝から冷える怖さが欲しいのなら、実話怪談を読むのが良いでしょう。

今回ご紹介する「拝み屋郷内 花嫁の家」は、拝み屋をしている著者の体験談。普通の人よりあの世との関わり方が深いためか語られる話が怖すぎます。

収録されている話は、表に出そうとすると邪魔が何度も入ったといういわくつき。。かなり怖い話なので、読む前は気合を入れてくださいね。

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「拝み屋郷内 花嫁の家」の紹介

著者は郷内心瞳という人で、「幽」怪談実話コンテスト第5回大賞を受賞し作家デビューをしました。この方の本業は拝み屋さんで、宮城県を拠点に活動されています。デビュー作も仕事の中で起こった怪奇体験が元になっています。

デビュー作以後の怪奇体験の話はシリーズ化され、ご紹介する「拝み屋郷内 花嫁の家」もシリーズ内の一作です。2014年9月に文庫として刊行されました。

収録作は誰かに話そうとしたり書き記そうとすると、決まってアクシデントが起きたそうです。

収録作品のあらすじ

怪奇譚はとある旧家の花嫁にまつわるもので、家に嫁いできた女性は結婚後に数年でこの世を去ってしまう…。著者は、その旧家の男性と結婚した女性の依頼で、花嫁が早死にする旧家の問題に巻き込まれていくのでした。

「拝み屋郷内 花嫁の家」は2部構成になっていて、第1章「母様の家、あるいは罪作りの家」と第2章「花嫁の家、あるいは生き人形の家」が収録されています。2話とも心霊要素が物語の主体ですが、人の負の感情やエゴが問題の根底になっていると言えます。

第1章「母様の家、あるいは罪作りの家」

すでに亡くなった母親に殺される、と依頼者の女性が拝み屋の著者に助けを求めに来る。なぜ女性は母親に命を狙われているのか?死んだ母親は娘である依頼者の命を、本当に奪おうとしているのか?

依頼者が遭遇する怪異は「母様」という不可解な存在が絡んでいて、「母様」は依頼者のみならず著者などにも強い影響を及ぼします。

依頼者の女性と亡き母親を苦しめるのは心霊的問題だが、人の醜い欲望までもが親子を苛む…読み終えると「母様」に怖さを感じるだけでなく、人が持つ負の部分にも恐ろしさを覚えます。

この章は衝撃的結末が待ち受けているので覚悟して読みましょう。

第2章「花嫁の家、あるいは生き人形の家」

早死にする旧家に、新しく若い女性が嫁いできた。著者は花嫁が代々若くして亡くなる因縁を背負った家の問題に向き合うが、その家には『とあるモノ』が祀られている。怪異の原因は家が昔から祀っていたものが関わっていて、花嫁たちの命を縮めていた。

旧家の男性たちは自分が祀るものに執着し、花嫁を救おうとする著者の話に耳を傾けようとしない。
花嫁の女性に重大な出来事が起こったことで、著者の進言を聞く気になるが…。

家の信仰心のために嫁いだ女性たちが犠牲になっていたと思うと、とても不条理さを感じる話です。
依頼者の女性が救われたのかはネタバレになるので差し控えておきましょう。

本作の怪異はまだまだ続く

郷内心瞳さんの実話怪談シリーズは、「拝み屋郷内 花嫁の家」を含めて全9巻が出版されています。
最終巻となる本は「拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陰〉」と「拝み屋怪談 壊れた母様の家〈陽〉」です。

「拝み屋郷内 花嫁の家」の第1章「母様の家、あるいは罪作りの家」の怪異の原因として、「母様」という存在が出てきました。最終巻の2作にはタイトルに「母様」が入っているように、第1章の怪異が深く絡んでいます。

依頼者の女性が受けた怪異の苦しみは時を経て、新たな犠牲者を生み出し続けていた。
怪異はそうやすやすと解決しないのだと、著者の体験談で認識させられます。

おわりに

拝み屋さんの著者が体験する話は、ハッピーエンドで終わる創作系怖い話と違って苦い終わり方をするものもあります。
ハッピーエンドで万事終わらないのが現実的で、怪異とは実際そういうものなのかもしれません。

作り物の怖い話に飽きた方は、「拝み屋郷内 花嫁の家」を読んでみてはいかがでしょうか。

コミカライズ版はこちら


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