車と話せる探偵少年の不思議な現代ファンタジー「北北西に曇と往け」


探偵業で生計を立てていてちょっと不思議な力がある少年の日常を描いた現代ファンタジー、「北北西に曇と往け」を今回はご紹介させていただきます。

ファンタジー漫画で定評のある漫画家・入江亜季さんの新作で、自然豊かなアイスランドを舞台にしている作品になります。物語の主人公は日本人少年で車を相棒にして、探偵業の仕事をしていて時に変わった依頼をこなす。日常を描きながらも非日常も入った独特な面白さがあり、2019年マンガ大賞にノミネートされ高い評価を受けています。

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本の紹介

この作品は2016年3月からハルタで連載され、現在も続いており3巻まで単行本が刊行されています。主人公は御山慧(みやま けい)という少年で、アイスランド島にフランス人の祖父と一緒に住んでいる。

日本の高校を中退し現地の学校にも通っていない慧は、探偵の仕事をして生活費を稼いでいました。彼の相棒はジムニ―の名をつけた愛車で、慧にはジムニーと話せる不思議な力があります。愛車以外にも電気機器全般と会話することができるので、持っている力を仕事に活かして厄介な頼まれごとでも上手く片づけます。

慧に持ち込まれる探偵の仕事はツテで来ることが多く、ペットや人探しなどの定番から一目ぼれした相手を探すなどの変わり種の仕事も。年頃の男子であるのに美人な女の子が苦手と変わっている慧のアイスランドの生活が、探偵業を中心に少しファンタジックな雰囲気を交えて語られます。

北北西に曇と往けの魅力(人物編)

入江亜季さんは生き生きとしたキャラクターを描くことが上手で、「北北西に曇と往け」も登場人物たちがとても魅力的です。

主人公と家族

主人公である慧は少年ながらも探偵の仕事を持っていて、飄々としながらどんな依頼にも真面目に取り組んでいます。見かけは大人っぽく落ち着いて見えますが、女の子に免疫がなくアクシデントで美女の下着姿を目撃し焦るなどカワイイ所がある。車と話せる力がありジムニーを相棒にしていても、肝心の運転が下手でジムニーを横転させてしまうなど憎めない人物です。
慧は両親が死んでしまっているので、親しい家族はフランス人の祖父・ジャックと日本で離れて暮らす弟・三知嵩(みちたか)の2人だけ。ジャックはジムニ―の元持ち主で、孫の慧とは違い女好きです。現在も元女優の美人な彼女がいる。おちゃらけ親父に見えて仕事は大学で生徒を教えています。
慧の弟・三知嵩(みちたか)は祖父からのフランスの血が濃いのか、兄よりも色素が薄く西洋人形のような容姿をしている。兄を慕う無邪気な子に思えるのに、実はサイコパスであるようなことが示唆されています。兄以上に不思議な力があり、多くの謎を抱えており今後が気になります。

美女たち

入江亜季さんの描く女性は肉感的で、色気を感じさせます。「北北西に曇と往け」でも魅力的な美女が2人登場しています。慧の祖父・ジャックの彼女・カトラと、カトラの姪のリリヤです。
カトラは女優をしていたので美しく大人の艶っぽさがある。妖精のような美しさを持つリリヤは、まだ子どもっぽい所があり美女というより美少女。カトラは運命的な出会いをしたジャックが忘れられず、慧に人探しを依頼しジャックと棚ぼた的に再開しました。かなり年上の男性を想い続けているのが一途です。リリヤは慧にたまたま下着姿を見られ、お返しに慧のパンツ姿を見ようとするなどワイルドな行動をします。

北北西に曇と往けの魅力(食べ物編)

主人公の慧は肉好きの食いしん坊で、漫画に出てくる食事はとても美味しそうです。その中には舞台となっているアイスランド特有のご飯も登場。羊牧場が多いアイスランドでは羊肉を食べており、祖父の友人宅に招かれた際に慧も塊肉のバーベキューをごちそうしてもらいます。焼いた羊のお肉のジューシーさが絵でたっぷり表現され、自分もジンギスカンではなくバーベキューで羊の肉を食べたくなってしまうほどです。
アイスランド的肉料理で、トナカイ肉も出てきます。燻製にしたトナカイ肉をサンドイッチにしていて、日本では中々食べられないメニューで思わず「どんな味だろう?」と思案してしまいます。

おわりに

「北北西に曇と往け」は主人公の力をはじめ、色々な謎が物語の中に隠されています。主人公の日常をのぞきながら、謎解きをしてみてはいかがでしょうか。


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