「会社に雇われずにフリーで働く! と決めたら読む本」が問う、覚悟とは


昨今、「働き方改革」が声高に叫ばれています。
しかしどうでしょう、働き方が変わったという実感のある人がはたしてどれだけいるでしょうか。

まずはじめに、会社はあなたを助けてはくれません。

決してあおるつもりはありません。
ただし、実際のところこれは少なからず的を得ています。

そんな気持ちが芽生えたとき、真っ先に頭をよぎるのは「転職」という二文字。
今後の身の振り方を決めるという、重大な局面に立たされていくのです。

そして、その先に延びた道はいくつかに分かれます。
別の会社に雇ってもらうのか、起業するか、独立して一人で立つか。

本書はそのうちの、一人で立って生きる道を考えた人に向けられたものです。

本書に興味を持つということは、多少自らの「働き方」と向き合った人たちでしょう。
そんな人が、自ら働き方を改革するための一つの選択肢として、フリーランスを紹介する本書。

本記事では、本書が包み隠さず述べたフリーランスの実態について、ご紹介します。

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「会社に雇われずにフリーで働く! と決めたら読む本」について

「会社に雇われずにフリーで働く! と決めたら読む本」は、2018年に有限会社明日香出版社が発行したビジネス書です。

転職を考え、その選択肢の1つとしてフリーランスを考える人向けの内容です。
フリーランスのメリットから、具体的な仕事の取り方まで、詳細に書かれています。

と同時に、本書はフリーで働くことの覚悟を問う内容にもなっています。
むやみに踏み込んで後悔しないための、ブレーキとしての役割も備えているのです。

著者の立野井一恵氏はこの道20年以上のベテラン。
酸いも甘いも経験してきた著者の経験に基づくノウハウには、確かな説得力があります。

最終的に、自分にとって何が一番合った働き方なのか。
本書はフリーランスの実際を示すことで、その問いに判断材料を与えるものとなっています。
「働き方」を考える全ての人にとって、考えを整理する一助となるのが本書です。

「会社に雇われずにフリーで働く! と決めたら読む本」が伝えたいこと

本書は、フリーランスとはどういう働き方なのかを詳細に解説しています。
あわせて、フリーランスの社会人としての在り方をあますことなく紹介しています。

フリーランスに細かな決まりはありません。
何を始めてもよく、自由な発想で勝負できる世界です。

けれども、フリーランスとはフリーで働くということ。
働くということは、課題解決のために社会にコミットすることです。
自由であっても、社会人であることを忘れてはいけません。

終始この視点に基づいた本書が伝えようとしていることを、これから解説していきます。

自由と責任は表裏一体

会社に縛られることなく、柔軟に仕事ができる働き方。
今までほどストレスを抱えることもなく、いいことずくめに聞こえるフリーランス。
これらはたしかに、フリーであることの大きなメリットです。

しかし、メリットがある中で、大変な面もあるんです。

まず、経費精算や確定申告などの処理は一人で行わなければなりません。
ミスやトラブルがあれば、責任は当然自分に全てかかってきます。
社会保障も十分ではないですし、将来の保証もありません。

といった「リアル」な部分を、本書ははっきりと示しているのです。

本書はタイトル通り、フリーで働くと決めた人に向けて書いたものとなっています。
こうした覚悟を決めた人にとっては、実情を知ることができる貴重な一書です。
しかし、新しい身の振り方を考え始めた人にとっては、一呼吸置くために歯止めをかけます。

キャリアを見つめるにあたっての判断材料としても、本書は大変有用なのです。

価値を高め、つなげる

フリーランスになるということは、自ら仕事を取っていかなければなりません。
そのために本書が重要視するのが、セルフ・ブランディングの概念です。

まず、自分は「何屋」なのかを分析する必要を説きます。
自分の立ち位置を固めることで、今後の見通しが開けていくのです。

フリーランスはクリエィティブ分野の人に多く見られる働き方。
彼らに共通して言えるのは、実績や経験が自身の価値となり、それが仕事につながっていくこと。

得意なことと今までやってきたことを武器に、自らのカバーする領域を確立させます。

それができたら、今度はそれを広く伝えなければなりません。
フリーランスは自らをセールスしていく必要があるのです。

このように、仕事をしていくことで、次につなげていく努力を繰り返します。

また、初心者の仕事の取り方も紹介している本書。
初心者フリーランスが必ず通ると言ってもよい、クラウドソーシングについても触れています。

こうして少しづつ実績を積み上げ、自分の価値を高めながら価格交渉し、次につなげる姿勢。
そこから得られる、「自己を高めること」や「人とつながっていくこと」の重要性を、伝えています。

対人関係のしがらみから解放されたいがために、フリーを考える人もいるでしょう。
しかし、結局のところ仕事は人と人とのつながりがあって生まれるもの。

とりわけ、フリーランスにおいては人脈が重要であることを、本書は教えてくれます。

どう在りたいかを意識する

フリーランスにおいては、自分のセールスポイントを作り、売り込むことが重要だと述べました。
そうして自らの「売り」をみがき上げ、洗練させていくことはとても大切なことです。

ただし、いつまでも現状をキープしていくことは考えにくいもの。
というのも、年齢を重ねるごとに環境は変わり、求められるものも変わってくるからです。

本書は、会社勤めのとき以上にキャリアの見通しを立てる必要を説明しています。

会社員とは異なり、今後のキャリアパスがどうなるかわからないのがフリーランス。
これは言い換えれば、将来像は自分の力で方向づけられるということ。
よって、5年後10年後の自分をイメージし、どうアプローチするかがより一層求められるのです。

それによっては、今メインとしている仕事以外の分野に飛び込むこともありえます。
「武器」をみがくことも必要ですが、広くアンテナを張り、興味ある分野を広げていくことも大事です。

興味あるものに手を伸ばし、それを広く発信していけば、外からの反応が見込めます。
そのアクションが、新たな仕事に結びつくのです。

本書では、「ライスワーク」と「ライフワーク」という言葉が出てきます。
「ライスワーク」とは、生きていくための仕事のこと。
対して「ライフワーク」とは、その人がやりたいと思っている仕事を指します。

フリーで食べていくためには、ライスワークは大切です。
一方で、今後を生き抜くため、ライフワークについても考えていかなければなりません。

フリーで働くことには、常に柔軟さが求められるもの。
それが難しい人にはフリーで働くことは難しいということを、暗に示しているのです。

努力し続ける覚悟

ここまで、フリーランスとしての立ち回り方を紹介してきました。

今までのことを要約すれば、次のようになります。
すなわち、常に自分を売り込みながら実績を積み、方々にアンテナを張って柔軟に対応すること。

これらは日々のたゆまぬ努力を維持し続けることが肝心です。

フリーであるということは、言ってしまえば無職と表裏一体の状態。
入金が遅れたり、急に仕事に穴が開いたりすれば、無収入なんてこともあるわけです。
残念ながら、ちゃらんぽらんだと思われても仕方ない可能性は常につきまといます。

要は、そう思われない、そうならないための努力とイコールなのです。
フリーで働くことは、思っていた以上に大変そうだということがわかりました。

その他、フリーランスが抱える悩みとして、この先今の仕事に需要がなくなる可能性があります。
こんな状況に身を置くことには、やはり覚悟が必要です。

日々目まぐるしく移り変わるこの世の中。
その荒波にのまれない、むしろ波を乗りこなす気持ちで人生を生き抜くサバイバル。
そのためには、確固たる意志と柔軟な思考、そしてともに生き抜こうとする仲間が必要です。

本書は繰り返し、この「覚悟」を問い続けています。
そして、覚悟を決めた人には手を差し伸べ、貴重なアドバイスを与えてくれるのです。

この点は、会社に属している人が読んでも参考にできる、一般的な考え方です。
本書は「働くとは何か」という壁にぶつかった人が読む分にも、大変役立ちます。

おわりに

著者は本書の書き出しで、フリーランスとは「自分が自分の雇い主」だとしています。

自分をうまくコントロールすることができれば、決して難しいことではありません。
そうすれば、時間も自由に使えるし、仕事量の調節だってできるわけです。

仕事以外のものを優先したい、ライフスタイル重視型の人にとっては、これ以上ない働き方です。

そして、己の価値観と才能、能力や経験を武器にたった一人で立ち向かう存在。
これこそがフリーランスであるとも定義しています。

たった一人と言いましたが、その「たった一人」はたくさんいるのです。
「たった一人」同士が手を組み、社会の荒波を乗り越えていくこともまた、フリーランス。

自分らしく生きていくために、したたかに生き抜くこと。
自分にとっての「働き方改革はこれだ!」と思った人は、ぜひ手に取ってみてください。


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